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アジャイル開発を用いたチーム運用

はじめに

こんにちは。駅メモ!開発チームの id:k-nishioka です。今回は、駅メモ!開発チームの 1 ユニットが 5 年間にわたって取り組んできた開発手法についてお話ししたいと思います。 アジャイル開発にスクラム開発の要素を取り入れながら続けてきた運用について、 最新のスクラムガイド(2020 年版スクラムガイド)を参照しながら行った取り組みについてご紹介します。

スクラムガイド

私たちのチームでの運用方法

私たちのチームは現在 11 人のメンバーから構成されています。 スクラムガイドによるとチームサイズは通常 10 人以下が推奨されています。 今回は、そのような状況でどのようにスクラムを効果的に運用してきたかについてまとめました。

デイリースクラムの実施

まず、日々の進捗確認としてデイリースクラムを活用しています。 進行を当番制で毎朝 15 分デイリースクラムを行い、チーム全員で進捗や課題を共有しています。

水曜日のスプリント切り替えサイクル

スプリントは 1 週間ごとのサイクルで運営しており、毎週水曜日は次のスプリントへの重要な切り替え日となります。この日にはまず、1 時間半のスプリントレトロスペクティブを実施します。

その後の休憩を挟んで 1 時間はスプリントプランニングに充てられます。このプロセスでは、あらかじめスクラムマスターが選定したタスクに対し、プランニングポーカーを使って見積もりを行います。 また今後の開発スケジュールに関してはスプレッドシートで管理し一覧性を高めています。これと Backlog というタスク管理ツールを併用しており、これらが自分たちのプロダクトバックログになっています。

私たちはまとまった時間でスプリントレビューを実施していません。 スプリントレビューの目的はスプリントの成果を検査し、インクリメントを提示することでフィードバックや協力を引き出し、リスクを減らしプロダクトの価値の最適化を進めることです。 スプリントレビューの時間を細かく分割してタスクとして切り出し、動作確認の時間を確保しています。

スプリントレトロスペクティブでの議題

Figjamというオンラインホワイトボードツールを利用しリアクションの多いものや各個人が優先して話したいものを議題としています。 ここでは失敗だけでなく成功例も拾い、その両方からネクストアクションを立てるように意識しています。

私たちのアジャイル開発におけるメリット

1. 責任感の向上

各メンバーが交代でデイリースクラム・レトロスペクティブの進行役を務めることで、全員が進行を理解し責任感が生まれ、スムーズな運営が可能になっています。

2. モチベーションの向上

改善ばかりが話題にあがりがちな振り返りですが、成功例を共有することでチーム全体の士気が高まり、モチベーションを向上させています。

3. ミーティング時間の短縮

チーム規模が大きくなるにつれ、ミーティング時間が増加しやすいです。 そこで定常的な業務が多い私たちのチームではスプリントプランニングなら短縮できるのではないかと考えました。 実際にスクラムマスターがプロダクトオーナーと協議を事前に行い、タスクをあらかじめ選定しておくことで時間の短縮を図っています。

4. プロジェクトリスクの減少

タスクを細かく分割し、ゴールを明確に定めたうえで進行しているため、万が一大きな問題が発生した際も早い段階で差し戻しができ、早期のリカバリーを可能としています。 各タスクのゴールについては、定常的なものに関してはモブプロなどで定期的見直し、差し込みに関してはそのフローをあらかじめ決めておくことで明確にしています。

5. 効率的な優先順位付け

プロダクトバックログを用いて期限や終了要件を設定することで、タスクの前後関係やその期限が把握できるため、優先順位が明確になっています。 私たちのチームでは差し込みのタスクが発生することもあります。 差し込みタスクの対応をするために、スプリント内の落とすタスクの選択・担当の変更を素早く決定することができます。

私たちのチームでの課題

スクラム開発を通じて様々な成果を上げてきましたが、いくつかの課題にも直面しています。

ミーティング時間の増加

私たちのチームでは、レトロスペクティブを月あたり 6 時間行っています。この時間はフルリモートでのコミュニケーションを促進する貴重な機会である一方、スクラムガイドの 3 時間を超える値となり作業時間が減少する要因となっています。 そこで進行を一定期間固定することによって、振り返りの質を落とすことなく時間の短縮を図っており、現在月あたり 1 時間の短縮に成功しています。

振り返りの質の不安定さ

レトロスペクティブの進行を当番制にしているため、各回の振り返りの質にばらつきが生じます。特に、経験の浅いメンバーが進行を担当する際には、学びの機会となるものの進行スキルの向上が必要とされています。 こちらも進行を一定期間固定することで学びをすぐに活かせるよう図っています。

さいごに

今回はサイズが大きいアジャイル開発の運用についてまとめてみました。 現在も改善を続けており、またよりフレームワークに沿ったスクラム開発も実施予定のため、 いずれそれも記事にできると良いかなと考えています。 少しでも読まれた方のお力になると嬉しいです!