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駅メモ!開発チームにおける機能開発と改善を並行して進めるためのチーム構成

はじめに

こんにちは。駅メモ!開発チームの横井です。 今回はプロダクトの機能開発をしながら改善に取り組むためのチーム構成について話します。

背景

駅メモ!はありがたいことに今年で 10 周年を迎えました。 10 年もの間、機能追加や改修をしていくことでアプリケーションは使いやすく進化してきましたが、それとともにコードベースも肥大化し、保守性の面での課題が浮き彫りになっていました。

そんな中、エンジニアとしてその課題を認識しながらも、開発チーム全体として改善に割くリソースが不足していることに気づいたのが 2022 年頃。 ビジネス側の協力を得て、機能開発と並行して改善を進められるチーム体制を構築したのが 2023 年頃です。

2024 年に入って、さらにチームの実情に沿った形へと体制が変更して今に至るのですが、そんなチーム構成の変遷と、気づいたことを説明していきます。

独立した改善チーム(2023 年)

はじめは、メインである機能開発チームとは別で、独立した改善チームを結成する方針になりました。

改善チームを独立させた理由は以下の通りです。

  • メインである機能開発はそれだけに集中して欲しいから
  • 規模の大きな改善をチームで連携しながら効率よく進めるため

駅メモ!開発チームはさらに小さなチームの集合体となっており、各チームから少数のメンバーを引き抜いた少数精鋭で構成されました。

成果と問題点

改善のみに集中するチームができたことで、Linter や Formatter の整備、ライブラリ導入やアップデート、他にも開発効率を上げる様々な改善が実施されました。 特に、フロントエンドの Vue3 への移行は大きなプロジェクトでしたが、改善チームがあったことで機能開発への影響を抑えて完遂できました。

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しかし、改善チームによって機能開発チームのリソースが減り、プロダクトの改善に手が回らなくなってしまいました。 もともとその辺りも改善チームが実施するはずでしたが、チームの間に距離があったことで、プロダクトの課題とその重要度が改善チームに十分伝わっていなかったのが原因だと考えています。

定期的な改善デー(2024 年)

1 年ほど改善チームを運用し、先述した問題点も明らかになってきたところで、改善に取り組むためのチーム構成が再び検討されました。

新構成の方針は以下の通りです。

  • 駅メモ!開発チーム全体として改善に割くリソースの割合を維持する
  • 機能開発チームにも改善を進める余裕を与える
  • 開発者体験の改善は優先度を一旦下げる

結論として、改善チームは解散して、月に 2 回の改善デーを導入することにしました。 1 ヶ月を 20 営業日とすると、業務時間の 10% を改善に充てるということになりますね。

改善デーについて

改善デーのルールは以下の通りです。業務への影響を抑えるために緩やかなルールとなっています。

  • プロダクトの運用効率化や保守性向上を行う
  • チーム内で取り組むべき改善の優先度を決める
    • 優先度の高いものから個人で進行する
  • 緊急対応が必要な場合はそちらを優先する
    • ビジネス側からの要求にも必要があれば対応する
  • 定常的な会議類は普段通り参加する

成果と問題点

狙い通り、プロダクトの改善は大いに進みました。そして予想通り、規模の大きな改善や難易度の高い改善はあまり進まなくなりました。

ビルド基盤の整備、CI/CD の高速化、アーキテクチャの見直しなど、個人が短期間で完了するのは困難な改善について「やりたいけどできない。取り組むならもっと集中してやらないと無理だ」という声が上がっています。

気づき

2 つのチーム構成を運用してみての結果をまとめると

  • 独立した改善チーム
    • 大規模な改善を連携して進められるが、プロダクトの課題が改善チームに伝わりにくい
  • 定期的な改善デー
    • 大規模な改善は進みにくいが、プロダクトの運用効率化などコンテキストの深い改善が進む

これらは対照的な結果となりました。

今後の展望

大規模な改善とコンテキストの深い改善をバランスよく進める必要があります。

  • 独立した改善チームの構成を改善し、プロダクト寄りの改善の重要度を共有する体制を強化
  • 定期的な改善デーの構成を改善し、大規模改善をチーム内で協力して進める仕組みを作る
  • 両方のチーム構成を交互に実施
  • 両方のチーム構成を同時に実施するため、リソースを追加

いくつか選択肢がありますが、現時点では「定期的な改善デー」のチーム構成を改善することになるのではと思っています。

おわりに

お読みいただきありがとうございました。プロダクトも、開発者体験も、どんどん改善して生産性上げていきたいですね。

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