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チームの振り返りのファシリテーションで気をつけていることベスト5

はじめに

この記事は モバイルファクトリー Advent Calendar 2019 の21日目の記事です。
こんにちは、新卒4年目のエンジニアの id:tsukumaru です。

4年目となり、後輩がかなり増えました。そして、今まで以上に後輩の手本となり、周りをリードしていくことを求められるようになりました。

あるとき、とある後輩から「振り返りのファシリテーションのコツを教えて欲しい」という質問が来ました。ファシリテーション自体は何度か経験がありましたが、自分が気をつけていることをしっかりまとめたことがなく、その場ですぐに答えることができませんでした。

そこで、今回はファシリテーションをするときに自分が気をつけていること ベスト5 を紹介してみようと思います。

いま振り返りのファシリテーションの仕方に悩んでいる方が、この記事を読んでなんとなく「自分でもできそう」と思ってもらえれば幸いです。

※ 今回振り返りの手法は特定していません。振り返り全般に対して気をつけていることとしてお読みください。

気をつけていること

自分がファシリテーションをするときは、基本的に曖昧な部分を無くし、参加メンバー全員が同じものを見ている状況を目指しています。
これを具体化して5つに分解すると、以下のようになります。

1. つまりどういうことか?

複数の解釈ができそうな意見を具体化します。

例えば、「ペアプロが勉強になった」という意見がでたとします。
これだけだと「(ペアプロのやり方を学ぶことができて)勉強になった」のか、「(ペアプロをすることで分からないところを効率的に教えてもらえて)勉強になった」のかがわかりません。
いろんな解釈ができるので、その場にいる参加メンバーは自由にカッコの中身を想像してしまいます。

本当に言いたいこと、知見になりそうな部分を知るために、「ペアプロのどういう面が勉強になりましたか?」などと質問し具体化していきます。
そして、相手の話を一通り聞いた後、「なるほど、ということは〇〇ということですね」とまとめます。するとそれを聞いている周りのメンバーは「〇〇したことがよかった」と認識を一致させることができます。

2. 他の立場ならどうか?

出された意見をいろんな方向から見ることを促します。

例として、「ディレクターが企画を決めるのが遅くなってしまった」という意見がでたとします。
この場合、ネクストアクションとしては「ディレクターがPMと事前によく話し合う」のような意見が出がちです。
このネクストアクションで本当にいいのでしょうか。

振り返りは、成功/失敗を共有して チームとして 次の改善案をだしていくためのものだと思います。
そこで、ディレクター以外の立場としての意見を求めてみます。
「他の人(や職種)としても決めるのが遅かったと思ったか?」「遅くなってしまった原因はなにか?」「エンジニア、デザイナーとしてできたことはなかったか?」など深掘りしてみると、チームとしての振り返りができるようになります。

プラスな意見が出た場合も同じで、「エンジニア同士でホワイトボードを使って認識を共有できたのがよかった」という意見が出た場合、「他のエンジニアメンバーもそう思うか?」「エンジニアとデザイナーでは使えたか?」など違う目線を提供することを意識します。
本当にエンジニア同士でホワイトボードを使って認識を共有できたのが知見なのか を探っていきます。

3. 目的に沿っているか?

出された意見が振り返りの目的に沿うように調整します。

振り返りではまず目的(何のためにふりかえるのか)を決め、みんなで意識を合わせた後に振り返りを行なうと思います。

しかし、振り返りをしていると、目的に沿った意見もあれば沿わない意見もあるなど様々な意見がでてきます。どの意見を深掘りしたらいいのか、どういう方向にまとめていけばいいのか迷うこともでてくるでしょう。
そんなときは最初に決めた目的を振り返りましょう。当たり前ですが、とても大事なことです。

「目的に対して有意義な意見か?」「このまま話を進めて目的に沿ったネクストアクションがだせそうか?」と心の中で考えます。
ここで気をつけたいのは、声に出さないということです。「この意見は目的に沿っていません!」とファシリテーターが言ってしまうと、参加メンバーが意見を出すのを萎縮してしまいます。
あくまで出された意見は尊重しつつ、深掘りの度合いで進行する際に調整します。

4. みんなが話しているか?

全員が公平に発言できるように配慮を行います。

振り返りは多くの場合で関わっているチームメンバー全員が参加するので、話す人、話さない人がどうしても出てきてしまいます。
話す人の意見ばかりを取り入れ振り返りを進めていってしまうと、それはチームとしての振り返りではなく、有志な人たちだけの振り返りとなってしまい無意味なものになってしまいます。

そこで、ファシリテーターは参加メンバー全員が公平に発言できるように配慮を行います。
注意したいのは、発言しない人が悪いわけではないということです。思ったことをそのまま話せる人もいれば、よく考えてから発言したい人もいます。発言のタイミングは人によって違うことを理解した上で、相手の負担にならない程度に話を振っていきます。

逆に、ベテラン社員やリーダーなどの発言力のあるメンバーの意見に誘導されがちな場合は、「こういう意見もあるみたいですが、他の方はどうですか?」や、「〇〇さんはどう思いますか?」などで別の意見を求めてみると良いです。
このとき、全く同意見でも問題ないです。みんなで振り返りを進めているという雰囲気をつくることが大事です。

5. 時間は大丈夫か?

限られた時間で振り返りを終えられるように意識します。

時間を守ることは大事なことですが、地味に難しいことでもありますよね。

自分がファシリテーターをやる時はタイムキーパーも兼ねました。他にタイムキーパーをつけておいてもいいでしょう。 振り返りに熱中しているとすぐに時間が経ってしまうので、全体の意見の数を見つつ、前述の [3. 目的に沿っているか?] も考えながら時間内に終わるように調整します。

一人で全部調整しようとすると大変なので、「あと30分なのでこれは飛ばしてもいいですか?」だったり「こういう進め方で行こうと思うのですが、どうでしょう?」など都度都度参加メンバーと進行の認識を合わせていきましょう。 自分では思いつかない方法がメンバーから出てくることもあります。


以上が、自分が振り返りのファシリテーターをする際に気をつけていることベスト5です。
まとめると、

  1. つまりどういうことか?
    • 意見を具体化する
  2. 立場を変えたらどうか?
    • 意見を様々な視点で見る
  3. 目的に沿っているか?
    • 目的に合わせて意見に優先度をつける
  4. みんなが話しているか?
    • 声の大小に関わらず、公平に意見を言えるようにする
  5. 時間は大丈夫か?
    • 参加メンバーと協力しながら時間内に終わらせる

頭文字をとると「つたもみじ」ですね。振り返りといえばつたもみじ 。振り返りといえばつたもみじ
紅葉がきれいな季節は終わってしまいましたが、これを意識してより良いファシリテーションができるようになれば幸いです。

自分もまだまだ勉強中なので、 つたもみじ を完璧にできるようになるために経験を積んでいこうと思います。 🍁