はじめに
今年の夏に在宅環境(筋肉)の整備に成功したうっひょいです.
今年,ワインエキスパートの資格を取得しました. 勉強のために様々なツールを使って進捗管理したことについて書きます.
なぜ受験したのか
いろいろ理由はあります.
- お酒が好きでその中でワインが一番好きだから
- 美味しいワインを選べるようになりたいから
- 勉強というのを久しくやっていなくて挑戦したかったから
- 合コンで行った先のチャラい男がワイン飲まないのにモテるためか知らないが必死にワイン好きをアピールしたせいで,自分もワイン好きって言ったときもそういう目で見られて嫌だったから
ワインの資格について
皆さんが思い浮かべるワインの資格と言えば「ソムリエ」だと思います.自分も最初はソムリエの資格を取ろうと思いました.
日本でソムリエの資格を取るにはJSA(日本ソムリエ協会)が開催している試験を受ける必要があります.
しかし,ソムリエは受験するためには条件があります.
【一般】
以下の職務を通算3 年以上経験し、第一次試験基準日においても従事している方
【会員】
会員歴が2年以上あり、以下の職務を通算2年以上経験し、第一次試験基準日においても従事しているJ.S.A.正会員および賛助会員所属者
◆酒類・飲料を提供する飲食サービス
◆酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、製造、教育機関講師
◆酒類・飲料を取り扱うコンサルタント業務
飲食業に2年以上従事している必要があります.調べたところシステムエンジニアは飲食業ではありませんでした.
しかし,JSAはワインエキスパートという別のワインの資格も出しています.
◆酒類、飲料、食全般の専門的知識、テイスティング能力を有する方
◆職種、経験は不問
◆ソムリエ職種に就かれていて、受験に必要な経験年数に満たない方
ワインエキスパートは業種による条件はなく,趣味などでワインを飲む人向けの資格です. 3次試験はありませんが,難易度はソムリエとほとんど同じなので自分が趣味として挑戦するには申し分のない資格だと思いました.
ワインエキスパート受験を決め,合格に向けての勉強が始まりました.
1次試験
1次試験は4択の選択問題を解く,知識を問われる問題です.
膨大なページ数の教本
試験に申し込みしばらくすると,JSAから鈍器のような教本が届きます.
教本はA4サイズで700ページ以上あり,1次試験はこの本の全範囲から出題されます. 1ページから全部覚えていたらおそらく1年前から始めても間に合わなかったと思います.
教本で1から勉強するのは非効率的だったので重要なポイントなどをまとめた鈍器のような参考書*1を買ってそれで勉強することにしました.
単語帳作りとポモドーロ・テクニック
重要なポイントに絞られたとは言え,それでもたくさん覚えることがあるので効率的に勉強する必要がありました.覚えることをノートにまとめたりするとそれだけで腱鞘炎になりそうだったので,単語帳アプリを使うことにしました.
- 暗記すべき事柄を自分で入力してクイズ形式で見れる
- 電車内や寝る前に見られるようにスマホ対応
- 忘却曲線に基づいて出題する問題を日に日に変えてくれる
- 作問時,フリック入力は辛いのでPCで作問できてそれをスマホで見れる
↑をすべて満たすのが
というアプリでした.これで問題を作って繰り返し解くことで覚えることにしました.
まずは,本の重要ポイントを自分なりに作問していくところからですが,なにせ膨大にあって,割と単純作業なので,集中力が切れてしまいがちでした.
そこで,自分が業務時にやる気でないときに使うポモドーロ・テクニックをやってみました.
単純作業でかつ1問1問が区切りなのでポモドーロテクニックとの相性はよかったです. 日々のスキマ時間でできたので負担なく1日あたりの作問数を増やせました.
最終的に2719問作りました.
自動作問ツール
キーワードを覚えるときは前述の単語帳が便利ですが,表を覚えるときは単語帳で作問することが難しいです. 例えば,各国のスパークリングワインの残糖度による名称一覧などは
このように対応表のようになっていて,国によっては別称があったりと複雑です. なので,初めはGoogle Apps Scriptを使って表の一部を穴あきにすることで自動的に問題を生成するスクリプトを作ることにしました. しかし,結合されたセルを含む表をうまく取得する方法がわからなかったり,穴あきの作問自体がGoogle Apps Scriptで実現することがいろいろ難しくてずっとこれ作っていたら試験に間に合わないと思って断念しました.
結局,スプレッドシートで問題作ることをあきらめて表をJSON形式にしてランダムで取り出してGoogle Formで自動生成して解くという実装にしました.*2
Google Formになっているので誰でも見れると思います.暇な人は挑戦してみてください. 問題は毎日変わります.
後回しにする暗記項目はツールでタスク管理
地図を見て地方名や地区名を答える問題もあります.remindoは画像も貼れるので以下のような問題を作ることも可能です.
ただ,地図の画像を用意したり問題用に答えが出ている部分を加工する手間があるので,単語帳を作ってから作問することにしました. 後からどの問題を作るかを忘れないためにTrelloというタスク管理ツールを使って,タスクとして残しました.
単語問題の作問を終えた後に↑の「やること」のレーンにあるタスクに従って地図問題の作問に着手しました. 終わったものは隣のレーンに移して...でスムーズに作問できました.
作問後はひたすらに解く
ある程度問題を作ったら解いていきます. 記憶が定着する前に完全ランダムで問題を解こうとしてもちんぷんかんぷんなので,初期は同じカテゴリーの問題だけ解くようにしていました.
PCで作問した問題をスマホから見られるのでスキマ時間でちょいちょい解いていました.
- 寝る前
- 風呂入っている間
- 移動中
- 筋トレのインターバル
本番
1次試験はCBT方式の試験です.
全国にあるテストセンターで好きなタイミングで受験できます. テストセンターにあるパソコンを使ってポチポチ問題を解き,帰る前に結果がわかります. 自分は無事受かることができました.
2次試験
2次試験はテイスティングです.ワインを飲んで選択式でコメントを書く試験です.
2次試験合格までのおおまかな方針
2次試験対策として自分は徹底的に飲み比べました. 以下の基本品種同士で徹底的な飲み比べをして見た目,香り,味わいを覚えました. ただし,同じブドウ品種でも生産国が異なるとテイスティングコメントが全然違うため同じブドウ品種で異なる国の飲み比べもやりました.
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- フランス
- アメリカなど
- ピノ・ノワール
- フランス
- アメリカなど
- シラー
- フランス
- オーストラリアなど
- シャルドネ
- フランス
- アメリカなど
- ソーヴィニヨン・ブラン
- フランス
- ニュージーランドなど
- リースリング
- フランス
- ドイツなど
ブラインドテイスティングで上記の品種をある程度当てられるようになったら,それ以外の品種を練習しました. それ以外の品種はどの基本品種に近いか比べることで覚えていきました.
飲み比べの方法
自分は「小瓶詰替法」という方法で飲み比べしました.
1つのワインを長期間酸化させず,何日にも分けて練習できる方法です.
購入したワインを開栓後小瓶に詰め替えて付箋を貼って冷蔵庫に貯めていきました. ただ,冷蔵庫が小さくて試験終わるまでは食材を入れられなくなりました...*3
練習用のワイン
最初は模範解答付きの試験対策セットを購入しました.これでテイスティングコメントを勉強しました. 基本品種は何度も飲むので,2回目以降は近所のワインショップで1000〜2000円の同品種同生産国のワインを購入していました.*4
試験に出る可能性がある品種はかなり多いので基本品種以外は結局は1品種ハーフボトル1本〜2本(小瓶に詰め替えて3〜6本)程度の飲み比べで試験を迎えることになりました.
本番
本番は都内のホテルの宴会場で他の受験者と一斉に行いました. 試験のワインは口に含んで吐き出してもいいし,そのまま飲み込んでもいいです. 自分は緊張して香りも味もわからなくなっていたので自分を落ち着かせようとそのまま飲み込んでほろ酔い状態で受験しました.
結果
受験から数日後,JSAのサイトに結果発表が公開されました. 確認してみると,自分の受験番号があって合格してました.
ワインエキスパートは2次試験で終わりなのでこれで正式にワインエキスパートとして認定されました.
認定料を払ってしばらくすると認定証とバッジが届きました.
まとめ
- 暗記系の受験にはremindoを使うと,単語帳作りにPC,暗記にはスマホが使える
- 単語帳作りの単調作業にはポモドーロ・テクニックが効率的
- 受験申し込みから受験までを一つのプロジェクトとして捉えてタスク管理するのは有効だった
- 自分の場合はTrello使った
- 趣味の資格はいいぞ
- 体系的に学べるので趣味でやってたとは言え基礎中の基礎でも知らないことがいっぱいあった