はじめに
こんにちは。エンジニアのまえけんです。
1月5日から3日間開催されたスクラムギャザリング2022に行ってきたので、イベントのレポートや感想をまとめようと思います。
スクラムギャザリングとは
日本のスクラム/アジャイルイベントとしては最大規模のイベント。全部で3日間あり、講演だけでなく、スクラム/アジャイル実践者と直接話せる機会もあります。
※ギャザリングはgathering、集まりとかまとまりとかの意味
運営母体である一般社団法人スクラムギャザリング東京実行委員会は、スクラムを実践する人が集い垣根を超えて語り合う場を提供するという目的によりコミットしています。
なぜ参加したのか
以前からスクラムに興味があり、チームでもエンジニア兼スクラムマスターとしてスクラムを実践しています。これまでもスクラムガイドや各種本(アジャイルサムライ、エクストリームプログラミング、アジャイルな見積もりと計画づくり、etc)を色々読んでいました。しかし、
- 本からは知識が得られるが、経験者の知識は得られない
- スクラムを実践する上での悩みを解決したい
- スクラムマスターの責任とは
- 組織に対してスクラムの理解を得るには
- ふりかえりのコツとは
- スクラムマスターとしてのキャリア
という事があり、ちょうど良い機会だと思ったのでイベントに参加してみました
レポート
会場は御茶ノ水。1月5日〜1月7日の3日間開催。
会場は1階と2階にわかれていて、全部で6部屋ぐらいありました。
最初に渡される名札。その下に「CSM(認定スクラムマスター)」とか「SPONSOR」とか書かれている札をつけて、どんな人なのか分かるようになってました。自分は初回なのでFIRST TIMERをつけてました。
1日目と2日目はkeynoteとマルチトラックセッション。マルチトラックは各部屋ごとに講演をやっているので、自由に見に行く形です。どんな講演があったかはこちら参照。
自分はマネジメント、スクラムイベント、プロダクトゴールを中心に見ていました。
3日目はOST(オープンスペーステクノロジー)とkeynoteでした。
オープンスペーステクノロジーは討論のやり方の形式の1つです。
議論したい人は、テーマを全員に話し、
あとは各自場所に分かれて議論をする。
議論に参加したい人はいつ来てもいいし、いつ抜けてもok。
自分はFIRST TIMERで 寂しかった 似た境遇の人が居ると思ったので初心者同士で情報交換する場にしました。結構たくさん(10人ぐらい?)の人が来てくれてよかったです。
3日目のkeynoteはTsuyoshi Ushioさん。以前バズっていたプログラミングというより物事が出来るようになる思考法の人。MicrosoftのAzure component開発をしている人です。
講演やオープンスペーステクノロジー以外にも、廊下で自然発生的にふりかえりがあったり、
アジャイルコーチの人と1on1で話せる場所があったり、ギャザリングできるような環境がたくさんありました。
コーヒー飲み放題で、お弁当も美味しかったです。
スクラムギャザリングは去年からオンラインとオフラインのハイブリット開催になっていて、講演もオープンスペーステクノロジーもすべてzoomで配信&discordでチャット可能になっていました。すべてオンラインで参加も可能だし、午前はオンライン、午後はオフライン、みたいに選択できたのも良かったです。
学び
3日間を通して得られた学びをまとめます
信頼、尊敬
良いチームに共通しているのは「信頼」「尊敬」の2つだと感じました。しかもそれはIT会社だとかソフトウェア開発だとかは関係無い。
- 星野リゾート
- 星野リゾートは以前からフラットな組織とマルチタスクの組織文化がある
- 現場が一番良く知っている
- 分業することで生まれる待ち時間を減らすために、マルチタスクでできるようにする
- 星野リゾートは以前からフラットな組織とマルチタスクの組織文化がある
- Microsoft
- 納期が無い(!)
- マネージャはチームメンバーを信頼し、支援をする
- アンブロックする
- メンバーは全力で取り組む
- マネージャはチームメンバーを信頼し、支援をする
- 納期が無い(!)
また、アジャイルコーチが話していた言葉で 子供扱いすると子供のように振る舞う というのが確かにと思いました。
場(Ba)を作る
信頼、尊敬はじゃあどうやって出来るのかというと、場が必要。
スクラムの創設者の1人、ジェフサザーランド博士も当初から「場(Ba)というコンセプト」について言及していました(Roots of Scrum)
明確なビジョンとゴール
ちょっと感想も含まれるんですが、場を作るためにじゃあなにから始めればよいのかというと、まずは明確なビジョンとゴールを作って共有するのが良いかなと思いました。
スクラムギャザリングでも、目標やゴールのセッションは多かったです
そもそも全員が同じ目標を向いていないと漠然とした不安(このままでも良いのか、チームが進んでいる方向は合っているのか)があるしその中で信頼は生まれにくい、と思いました。
感想
どこも同じ悩みを持っている
自分がこれまで持っていた悩みは自分だけじゃなくて他のチーム、他の会社も持っていることがわかったし、それ自体が発見でした。
同じ悩みを持っている人同士で話すのはそれだけでも救われるし、楽しいし、発見もありました。
定期的に他の会社の人と問題を共有する、話すのは今後もやっていきたいです。
銀の弾丸は無く、地道なローカルのアクションを積み重ねる
信頼を持つとか、明確なゴールを共有するとか、これらはまずチームの中で実践できる。「こうすればうまくいく」方法は今の所無い(スクラムも所謂フレームワークでしかない)。
逆に言うとスクラムとかアジャイルとか一旦置いといて、良いチームについて考えてそれを一歩一歩改善しながら目指すのが良いんだと思いました。むしろそうやっていった状態がアジャイルなのだと思います。
以上
スクラムギャザリング、超楽しかったです。来年も絶対行きたい!